フリーランス・個人事業主がファクタリングを使う際の注意点

個人事業主が使えるサービスは増えましたが、法人限定の会社や買取下限30万円の会社もあります。取引先が個人の場合の対処法、少額請求書の選択肢、給与ファクタリングの危険性まで実データで解説します。
01個人事業主が使えない会社もある
近年は個人事業主・フリーランス向けのファクタリングが増えましたが、すべての会社が使えるわけではありません。当サイトが11社の公式サイトを確認したところ、2社は法人限定と明記していました。
- GMO BtoB早払い — 「本サービスは法人のお客様を対象としており、個人事業主の方はご利用いただけません」
- Fintoファクタリング — 「個人事業主様のご利用はお断りしております」
逆に、OLTAは「法人・個人事業主いずれもご利用いただけて」と明記しており、ペイトナーファクタリングとlabol(ラボル)は個人事業主・フリーランス向けに設計されたサービスです。
まず対象に入っているかを確認してください。
個人事業主が利用できるサービスの一覧から、手数料や入金スピードの条件を組み合わせて絞り込めます。
02最大の壁は「取引先が個人」のケース
フリーランスが見落としやすい最大の落とし穴が、売掛先(報酬の支払元)が法人かどうかです。
ファクタリングは一般に事業者間(BtoB)の売掛金を対象とするため、支払元が個人の場合は「個人事業主は利用可」と書かれていても対象外になることがあります。
この条件で断られた経験がある方にとって決定的なのが、ペイトナーファクタリングです。
公式サイトに「個人の取引先でもOK」と明記している数少ない会社で、掲載11社のなかでこの点を明示しているのはペイトナーだけでした。
一方、ビートレーディングやアクセルファクター、日本中小企業金融サポート機構は個人事業主自身の利用は可能ですが、売掛先が法人であることが前提と考えられます(公式サイトに明記がないため、対個人の債権は申込前の確認が必要です)。
03買取可能額の下限に注意:数万円の請求書は対象外のことも
フリーランスが扱う請求書は数万円〜数十万円であることが多く、買取可能額の下限を下回って申し込めないというケースが頻発します。
各社公式サイトの公開情報より(2026-07-26確認)。
ベストファクターは30万円以上、えんナビは50万円以上でなければ申し込めません。
一方ペイトナーファクタリングとlabol(ラボル)は1万円から利用でき、labolは請求書の一部だけを買い取ってもらうこともできます。
30万円の請求書のうち10万円分だけ資金化すれば、手数料は1万円で済みます。
04固定10%と変動制、どちらが得か
個人事業主向けサービスは手数料一律10%という固定制が主流です。
ペイトナーファクタリングもlabol(ラボル)も10%固定で、申し込む前に総額が確定します。
ただし固定制は「上振れしない安心」と引き換えに「下振れの余地もない」という性質があります。
売掛先が信用力の高い法人で、金額もある程度大きい債権なら、変動制のサービスで10%を下回る料率が提示される可能性があります。
- 10%固定が有利: 少額(数万円〜十数万円)、取引先が小規模、事前に総額を確定したい
- 変動制が有利: 売掛先が上場企業や大手、債権額が数十万円以上、多少の手間をかけても安くしたい
変動制で個人事業主が使えるのはOLTA(2%〜9%・諸経費込み)、アクセルファクター(債権額別の料率表を公開)、QuQuMo(1%〜)などです。
手数料の仕組みはファクタリング手数料の相場は?で詳しく解説しています。
05確定申告書が必要な会社とそうでない会社
個人事業主の場合、法人の決算書に代わって確定申告書の提出を求められることがあります。開業初年度でまだ確定申告をしていない方は、この要件で使える会社が絞られます。
- 確定申告書が必要: OLTA(確定申告書の第一表)
- 確定申告書は不要: 日本中小企業金融サポート機構(入出金履歴3か月分・売掛金の書類の2点)、ペイトナーファクタリング(請求書・入出金明細・初回のみ身分証)、labol(ラボル)
なおアクセルファクターは、審査を通りやすくするポイントとして「青色申告・複式簿記で確定申告している」ことを挙げています。
日頃から帳簿を整えておくことは、審査上も有利に働きます。
06「給与ファクタリング」は利用しない
個人向けを装った危険なサービスとして、給与ファクタリングがあります。これは個人の給与債権を買い取ると称するもので、多くの場合で実質的に貸金業に該当し違法性が指摘されています。
金融庁も注意喚起を行っています。
フリーランスが利用する事業性のファクタリング(売掛債権の買取)とはまったく別物です。
「給与の前借り」「即日振込」といった個人向けの訴求をしているサービスは、事業用のファクタリングではありません。
契約書に「償還請求権あり」と書かれている、手数料を年率換算すると著しく高い、分割返済を提案される——これらはいずれも実質的な貸付のサインです。少しでも不安を感じた場合は、日本貸金業協会や消費生活センター(消費者ホットライン188)へご相談ください。
07まとめ:フリーランスが確認すべき4点
- 1個人事業主が対象か — 法人限定の会社が2社ある
- 2取引先が個人でも可か — 明記しているのはペイトナーのみ
- 3債権額が下限を満たすか — 30万円・50万円の下限がある会社に注意
- 4確定申告書が必要か — 開業初年度なら不要な会社を選ぶ
この4点を満たす会社は限られるため、条件を整理すれば候補は自然に2〜3社に絞られます。そのうえで見積もりを取り、実際の提示料率で比較してください。
全11社の条件はファクタリング会社11社を徹底比較で横並びに確認できます。


